岩手県東京事務所へ行ってきました
岩手県側は、東京事務所総務行政部部長(事務所ではいちばんえらい感じ)と総務行政部主任主査の2名でした。
お手紙を読み上げたあと、まず、日本消費者連盟の富山さんが大手スーパーのアンケート調査について報告しました。最初は返事が来ず、問題を知らせるところからはじめて苦労した、問題が明らかになるなかで、対応に苦悩している様子が伺えた…。といった中身です。
続いてふぇみん婦人民主クラブのの山口さんが、9月2日の講演会での生協との議論を紹介され、仕入れを止める基準をどこにするのかで苦悩している、消費者も生産者も悩みが大きく皆が困っている、その元凶である再処理工場と止めるしかない、悩みを共有しながら進めていきたい、と。
その後、参加者が思い思いに発言を続けました。
…働いているパン屋で南部産小麦の小麦粉を使っているが、他県産に切り替えることを検討している。
…日本は食料の多くを海産物に頼っており、三陸がアイリッシュ海並みに汚染してしまえば終わりだ。これから子供を産む世代のことを考えて欲しい。
…さんまがおいしい季節。さんまは三陸産がいちばんうまいと本にも紹介されている。冷凍したものをまとめて18匹圧力なべで炊いて骨まで柔らかくして食べている。
…山梨の生協では署名が取り組まれている。三陸水産(卸業者)からも署名が回ってきてびっくりした。たくさん署名をとった。
…毎日毎日三陸でとれたわかめを食べている。放射能放出は一回はたいしたことはなくても、どんどん蓄積していくので心配。
これに対し部長さんは、おっしゃることはわかります、ごもっともです、としきりに相づちされていました。
久慈市議会の意見書を示して、放射能放出の規制とモニタリングを要求している件を話し、県もこれをしっかりと受け止めて欲しいと言うと、情報公開をさせることは非常に重要だ、県としては、環境調査をやるように6月に国に要請している、と。
県としてもモニタリングをすべきでないかと聞くと、今は国に要望している。参加者から、被害を一番受けるのは県民であり、是非やるべきだ、青森県に対しても強い姿勢を示して欲しいといった意見が出ると、状況によって考える、段階を踏んでいるところだ…。
主任主査さんは、アンケートの15社をどうやって選んだのか、大手を選んだのか、国や電力会社にも行ったのか、と質問を繰り返し、アンケートに非常に関心を示していました。
にぎやかであっという間の1時間でした。
以下が提出した文面です。直前で、9月13日付け岩手日報の記事と同じく9月13日に久慈市議会で議決された放射能放出規制を求める意見書について文言を追加しました。
個人名でいただいたものについては、以下では省略していますが、提出したものには記載させていただきました。ご賛同いただきありがとうございました。
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2006年9月27日
岩手県東京事務所 御中
岩手県知事 増田寛也様
三陸のきれいな海を放射能で汚すことがないように
私たちは首都圏の消費者として、三陸沿岸のおいしい海産物を安心して食べ続けたいと願っております。三陸沿岸では、合成洗剤を使わない、巨大開発を行わないなど、きれいな海を守る取り組みが続けられていると聞きます。私たちが三陸沿岸の海産物をおいしくいただけるのも、漁業者をはじめ貴県のみなさまのおかげです。改めて感謝を申し上げます。
六ヶ所再処理工場による海の汚染の問題については、心配する声が首都圏においてもじわじわと広がっています。汚染を心配して署名を始めた生協もあります。首都圏の大手スーパーに行ったアンケートでは、半数が仕入れ先に問い合わせるなどの対処をするかあるいは放射能量の測定を求めるとしています。また6割が、汚染が確認されれば中止するとし、中には「微量でも取り扱いたくない」と回答したところもありました。
日本原燃は4月から断続的に放射能を海に放出しています。4月~6月の放出日については7月20日の青森県臨時議会での質問によりはじめて明らかになりました。放出は7月以降も続いていますが、いつ放出されたのかについて日本原燃は明らかにしようとしません。放出放射能量は増大しており、月末に公表されるトリチウムの量でみると、6月は5月の約2倍、7月はさらにその2倍となっています。
再処理工場は8月12日に試運転の第2ステップに進みました。第1ステップの2倍の燃料を再処理する予定で、放出放射能量がさらに増大すると考えられます。しかし、燃料のせん断は8月19日を境になぜか止まったままです。18日深夜にはすぐそばの放射線モニタで通常の2倍近い放射能を感知しています。これが何を意味するのか、日本原燃は詳細を明らかにしていません。
宮古市や漁協は試運転開始前から、地元での説明会の開催を求めていますが、日本原燃はいまだに拒否し続けています。説明責任も果たさないのは余りに無責任な態度です。9月13日の岩手日報紙は、県民からは説明不足に不満がくすぶっていると伝えています。その上、放射能放出の実態について詳細を明らかにしないのですから、私たちも不安を感じざるをえません。宮城県の三陸沿岸の海藻から放射性ヨウ素が検出されたなどという報に接すると、もしやという思いにかられてしまいます。同じ9月13日には、久慈市議会で放射能海洋放出規制法(仮称)の制定を求める意見書の提出が議決されています。放射能放出を懸念し、規制とモニタリングを求めていますが、私たちも同じ思いです。
この問題について、貴県が日本原燃に説明を求めるなど積極的に対応しておられることに敬意を表します。今後も積極的な行動をよろしくお願いします。私たちもできるだけの努力をしたいと思います。
日本消費者連盟/ふぇみん婦人民主クラブ/原発を考える品川の女たち/福島老朽原発を考える会/ストップ・ザ・もんじゅ東京/東電と共に脱原発をめざす会/プルトニウムフリーコミュニケーション神奈川/下北半島と神奈川を結ぶプロジェクト/原発いらない!ちば/原発・核燃とめようかい/今とこれからを考える一滴(ひとしずく)の会/チェルノブイリ子ども基金/ひきこもり九条の会(首都圏13団体)
柏崎刈羽反原発三団体/浜岡原発を考える静岡ネットワーク/花とハーブの里/核燃から海と大地を守る隣接農漁業者の会/さよならウラン連絡会(他5団体)
28日付岩手日報記事
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核燃施設の調査 増田知事に要望
首都圏の消費者団体
【東京支社】青森県六ヶ所村の核燃料再処理施設のアクティブ試験(試運転)に関連して、首都圏の消費者団体のメンバーらは二十七日、東京・永田町の県東京事務所で事業主体の日本原燃に対し放射性物質の放出の実態などを説明させるよう、働き掛けを求める増田知事あての要望書を提出した。
九人が同事務所を訪問。福島老朽原発を考える会(東京)の阪上武さんが「われわれは放射能を懸念し、規制とモニタリング調査を求めている。岩手県には今後も積極的な対応をお願いしたい」とあいさつした。県東京事務所の高橋一夫総務行政部長は「趣旨、内容がしっかりわかるように伝えたい」と話した。
メンバーは、七月から大手スーパー十五社を対象に行った放射性汚染食品に対するアンケート調査の結果も紹介。日本消費者連盟の富山洋子代表運営委員は寄せられた十社の回答を示し「再処理施設が稼働していることを知らないスーパーもあった。食品の放射能汚染を止めるためには再処理工場の操業を停止するしかない」と強調した。」
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